新しい検査・治療について
遺伝子検査について
現在、動物達のがんにおける「遺伝子検査」は、人医領域での腫瘍マーカー検査(腫瘍を確定する為の検査)とは意味合いが少し違います。
獣医領域では、特定のがん(リンパ腫、肥満細胞腫など)が診断された動物達の細胞や組織を用いて、各がん自体の特徴・・・病気進行が早い or 遅い。抗がん剤に対する効果が良いor悪い。分子標的薬(がん細胞の遺伝子に作用する薬剤)の効果が期待できるor期待しにくい。などを予想・把握することを目的としています。
同じ名前のがんでも様々な特徴を持っている為に、期待できる治療とできない治療も出てきます。治療と共に遺伝子検査を行うことで効率の良い治療プランを組み立て易く、動物達に不要な負担もかけなくてすむ治療が行えます。
残念ながら、全てのがんには対応できていない為、遺伝子検査の必要がある動物達に対してご紹介できればと思っています。
免疫療法について
本来、がんを構成する異常細胞は、健康な人や動物の体内でも毎日発生しています。
正常な体内の免疫システムは異常細胞を攻撃・破壊することで異常細胞の増殖(がんの発生)を防いでいますが、免疫システムの異常・破綻などにより、破壊されずに残った異常細胞が増殖を繰り返すことにより、がんが発生してしまいます。
免疫療法は本来持っている異常細胞を攻撃する免疫システムを強化・調整することが目的となります。 治療法はサプリメント・インターフェロン療法・活性化リンパ球療法など様々ですが、単独使用では効果が乏しいことがある為、他の治療と併用する補助療法として使用しています。 免疫療法についてのご不明な点がありましたら気軽にご相談下さい。