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当院での腫瘍治療


肛門嚢(アポクリン)腺癌

肛門腺の癌化により腫瘍が腫大し排便困難の症状が出てしまった14歳シー・ズー男の子の症例です。


来院時にはすでに腹腔内(腰下)リンパ節・肺に転移を認め、腫瘍随伴症候群(腫瘍が原因で引き起こされる病気)である高カルシウム血症も伴っていましたが、元気・食欲はしっかり維持できていました。


すでに複数の転移を認めていますが相談を重ねた結果、局所病変(肛門嚢)を切除することにより
@排便困難を緩和A腫瘍細胞を減らすことで高カルシウム血症を緩和できる可能性 を目的として外科手術を行いました。


病変である肛門腺は強い固着(腫瘍組織と正常組織が密にくっついている状態)が見られましたが、隣接する直腸などに障害が出ない範囲で切除することが出来ました。


手術後は合併症は見られず、目的の@Aを満たして順調に退院することができましたが、今後は再発や転移病巣の増大を出来るだけ防ぐために化学療法などを取り入れる必要があるため注意して経過を追っていく必要があります。